小平市内の井戸調査

井戸調査の目的

小平井戸の会は、2016年から毎年、小平市内の井戸調査を行ってきました。井戸を持っていそうなお宅を一軒ずつ訪問し、井戸所有者から直接、設置年、井戸の深さ、井戸の使用状況などを聴き取り調査をします。

最も重要なのは、市が指定した震災対策用井戸の調査です。震災対策用井戸は95基(2019年4月)ありますが、そのすべての調査がすんでいるわけではありません。標示板が市民にみえるように設置されていなかったり、防災マップにすら記載もれがあったりするので、聴き取りができた井戸は71基(2018年)にとどまっています。ですから、今後もひきつづき調査する必要があるのです。また毎年、新たに震災用井戸に指定される井戸もある反面、指定解除になる井戸もあるため、情報を更新しなければなりません。震災対策用井戸の所有者への聴き取りでは、井戸の現状を聴き取るだけではなく、所有者が抱く震災時の井戸使用への懸念をうかがい、こちらからは井戸の重要性を説明し、将来にわたって井戸を大切に使ってくださるようお願いしています。今では、井戸所有者のかなりの方に小平井戸の会の会員になっていただいております。

また、震災対策用井戸を調査するなかで、それを上回る数の井戸があることがわかってきました。使用中の井戸の数は聴き取り調査できたものだけで112基(2018年)あります。使用停止中の井戸、埋められて再生不能な井戸もありますが、わたしたちが訪問したことがきっかけとなって、修理したり、掘り直したケースもあります。新規に井戸を掘りたい方、壊れた井戸の再生を希望する方には、信頼できる井戸掘り業者を紹介しています。

この間の井戸調査を通じて、小平市の震災対策用井戸制度の問題点が浮かび上がってきたように思います。問題点はいくつもあります。なかでも最大の問題は、小平市には公共施設にひとつも井戸がないことです。民間所有の井戸に頼るだけでは、どうしても井戸空白地帯ができてしまいます。小平市74町丁目のうち、震災対策用井戸があるのは36町丁目だけです。

小平井戸の会は、この井戸空白地帯を公共の井戸で補完していく象徴として、中央公園の古井戸の再生を求める請願署名活動を行いました。この請願は2017年度市議会で採択されましたが、小平市は財政上の理由により、井戸の再生に着手していません(2019年現在)。

*小平市内の井戸調査に興味がある方は、「ニュースレター」をお読みください。

井戸調査の進め方

・小平市内をA区からF区までの6ブロックに分け、各ブロックを複数の者で調査を行います。

・調査は徒歩か自転車で回り、一回の調査には3時間程度の時間をかけます。1ブロックで年間8回ほど調査を行います。

・『井戸調査票(震災対策用井戸』と『井戸調査票(指定外井戸)』の2種類のフォームを使用し、井戸のある全てのお宅を戸別訪問して聞き取り調査します。許可を頂いた井戸は記録のために写真を撮ります。

・第1回調査は2015年から始め、現在4回目の調査を進めています。

調査票のフォーム

井戸調査票(「震災対策用井戸」「指定外井戸」)

第3回までの井戸調査の結果

井戸調査集計表

小平市の震災対策用井戸

震災対策用井戸の数の推移